「Excelマクロって難しそう…」「VBAって何から勉強すればいいのか分からない…」
そんな不安を抱えているあなたにこそ、ChatGPTを使った学習スタイルをおすすめしたいんです。
ChatGPTは、あなたの質問に合わせて丁寧に解説し、目的に応じて必要なVBAコードを生成してくれる対話型の先生のような存在。
専門書やネットの断片的な情報に頼らず、あなたの理解度にあわせて“会話しながら”学習を進められるのが最大の魅力です。
本記事では、VBA初心者でも安心して取り組めるよう、以下のような内容をわかりやすく解説します:
- 初心者がつまずきやすいポイントとChatGPTでの解決法
- 実際のプロンプト例とその出力コード
- うまく動かないときのエラー対応のコツ
- おすすめの学習ステップとプロンプトテンプレート集
ChatGPTと一緒なら、「マクロって難しい」というイメージが、「これならできそう!」に変わるはずです。
なぜVBAは難しく感じる?初心者がつまずきやすいポイントとは
Excel VBAに対して「ハードルが高い」と感じる理由は、次のような点にあります:
- どこにコードを書けばいいのか分からない
- 構文ルールが英語で難しく感じる
- 参考にしたコードが自分の環境では動かない
- エラーが出ても、どこを直せばいいのか分からない
さらに、ネット上の情報は断片的で、書籍は初学者にはとっつきづらいことも多いです。
こうした悩みに対して、ChatGPTはまさに「何でも質問できる身近な先生」のような存在です。
「この処理をしたいけど、どう書けばいい?」と日本語で尋ねるだけで、あなたの目的に合ったコードや説明をその場で返してくれます。
次のセクションからは、実際にChatGPTをどう活用するか、具体的なプロンプト例と出力例を交えながら紹介していきます。
ChatGPTがVBA学習に向いている3つの理由
VBAは独学ではつまずきやすい領域ですが、ChatGPTを使うことで次のような利点があります:
1. 自然文で質問できる
「この列をループして処理したい」「条件付きでセルに色をつけたい」など、日常の言葉で質問するだけで、ChatGPTはVBAコードとその意味を教えてくれます。
2. 理解レベルに合わせた説明ができる
初心者には「これは繰り返し処理です」と丁寧に解説し、中級者には「For Each文の応用として使えます」といったレベルに応じた補足も可能です。
3. その場で修正や追加指示ができる
「このコードに条件分岐を加えて」「日付の表示形式を変えて」といったリクエストにも即対応。試行錯誤を対話形式で進められる点が大きな魅力です。
このように、ChatGPTは学習の進度や目的に応じて柔軟にサポートしてくれる“マンツーマンの先生”のような存在です。
ChatGPTに聞いてみよう!実践プロンプトと出力例
ここでは、実際にChatGPTにVBAのコードを作ってもらう際のプロンプト例と、その出力例を紹介します。
シンプルなプロンプト例①:メッセージ表示
「Excelの起動時に“こんにちは”と表示するマクロを教えてください」
ChatGPTの出力例
Sub Workbook_Open()
MsgBox "こんにちは"
End Sub
このコードは、Excelブックが開かれたときに「こんにちは」とポップアップ表示するシンプルなマクロです。
複数行プロンプト例②:セルを条件付きで色分け
以下の処理を行いたいです:
1. A列の各セルをチェック
2. 値が100以上なら黄色
3. 100未満なら白に塗り直す
この処理を行うVBAコードを生成してください。
ChatGPTの出力例
Sub HighlightValues()
Dim cell As Range
For Each cell In Range("A1:A100")
If IsNumeric(cell.Value) Then
If cell.Value >= 100 Then
cell.Interior.Color = vbYellow
Else
cell.Interior.ColorIndex = xlNone
End If
End If
Next cell
End Sub
ChatGPTは、複数行にまたがる自然文の要件も正確に解釈して、実行可能なコードとともにロジックも補ってくれます。
このように、ただコードを吐き出すだけでなく、処理内容を日本語で明確に伝えれば、高精度でVBAコードを構築してくれるのが大きな魅力です。
動かない?うまくいかない?そんな時もChatGPTに相談
VBAを書いてみたけど、動かない・エラーが出る…。そんなときもChatGPTは頼れる味方です。
例①:エラーの内容を伝える
先ほどのコードを実行したら「型が一致しません」というエラーが出ました。どうすれば直せますか?
ChatGPTの返答例
「“型が一致しません(Type Mismatch)”は、変数の型がデータと合わない場合に発生します。もしセルに文字列が混じっている場合、数値型の処理でこのエラーが出ることがあります。IsNumeric()
でチェックを入れると回避できるでしょう」
例②:コードを少し変更してもらう
このコードに「条件に一致したセルの背景色だけでなく、文字の色も変える処理」を追加してください。
ChatGPTの返答例(コード)
If cell.Value >= 100 Then
cell.Interior.Color = vbYellow
cell.Font.Color = vbRed
このように、ChatGPTはエラーの解釈や修正のアドバイス、コードの改変依頼にも柔軟に対応してくれます。
「何がわからないかも分からない…」という時こそ、まず質問してみることが大切です。
今日から始められる!ChatGPTと学ぶVBA学習ステップ
ステップ①:やりたいことを日本語で表現する
まずは「こういう処理をしたい」という目的をはっきり言語化しましょう。日本語のままでOKです。
ステップ②:プロンプトで聞いてみる
構文や正確な関数名が分からなくても、「こういう感じで動かしたい」とChatGPTに伝えてみましょう。
ステップ③:出力されたコードを実行・検証
コードをコピペしてExcelで実行してみましょう。うまくいかない場合も、何が起きたかを伝えれば修正案が得られます。
ステップ④:コードの意味を質問して理解を深める
ChatGPTに「このコードの意味を1行ずつ説明してください」と聞けば、わかりやすく噛み砕いて教えてくれます。
初心者向けプロンプトテンプレ集
・A列の空白セルを探して「未入力」と表示したい
・条件付きで別のシートに転記したい
・ボタンを押すと集計処理が実行されるマクロを作りたい
チェックリスト:ChatGPT×VBA学習で押さえるポイント
- 処理の目的を日本語で伝える
- 構造や範囲(例:A1:A100)を具体的に伝える
- 結果の出力形式(色付け・メッセージなど)も明示する
- 出力されたコードの意味を確認する
- 間違っていても気にせず何度でも聞き直す
ChatGPTと一緒に少しずつ試しながら、「できた!」の体験を積み重ねていきましょう。
発展例:ChatGPTで複雑な処理も依頼できる
ChatGPTは初心者向けの処理だけでなく、繰り返し処理や条件分岐などを含む実務的なVBAコードも対応できます。
複数条件を含むプロンプト例
以下のような処理をしたいです:
・B列に「納期」があります
・納期が今日より前ならセルを赤く
・納期が今日なら黄色
・それ以外は白のまま
この条件でB列に書式を適用するVBAコードを教えてください。
ChatGPTの出力例(コード抜粋)
Sub HighlightDueDates()
Dim cell As Range
Dim today As Date
today = Date
For Each cell In Range("B2:B100")
If IsDate(cell.Value) Then
If cell.Value < today Then
cell.Interior.Color = vbRed
ElseIf cell.Value = today Then
cell.Interior.Color = vbYellow
Else
cell.Interior.ColorIndex = 0
End If
End If
Next cell
End Sub
このように、日付処理や条件分岐を含むプロンプトにも、ChatGPTは即応できます。
コードにコメントを付けてもらうプロンプト
このマクロコードに初心者向けのコメントを追加してください。
ChatGPTの返答例(コメント追加)
Sub HighlightDueDates()
Dim cell As Range
Dim today As Date
today = Date ' 今日の日付を取得
' B2:B100 の範囲をループ
For Each cell In Range("B2:B100")
If IsDate(cell.Value) Then ' 日付かどうか確認
If cell.Value < today Then
cell.Interior.Color = vbRed ' 納期切れなら赤
ElseIf cell.Value = today Then
cell.Interior.Color = vbYellow ' 今日なら黄色
Else
cell.Interior.ColorIndex = 0 ' それ以外は白
End If
End If
Next cell
End Sub
このように、ChatGPTはコードだけでなく学習の理解を助けるコメント付きバージョンも生成してくれます。
うまく動かない…そんな時の対話での立て直し例
例:プロンプトに曖昧な条件を入れたために、うまく動かなかったケース
初回プロンプト(失敗)
この表を整理して、必要な情報を取り出すマクロを作ってください。
→ 出力されたコードは「何を取り出すか」が明確でなかったため、目的とズレていました。
ChatGPTに再質問
このデータから「売上が10万円以上の行」だけを抽出して、別のシートに転記する処理にしたいです。
ChatGPTの修正コード(抜粋)
Sub ExtractHighSales()
Dim wsSrc As Worksheet, wsDst As Worksheet
Dim lastRow As Long, i As Long, dstRow As Long
Set wsSrc = Sheets("データ")
Set wsDst = Sheets("抽出結果")
lastRow = wsSrc.Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
dstRow = 1
For i = 2 To lastRow
If wsSrc.Cells(i, 3).Value >= 100000 Then
wsSrc.Rows(i).Copy Destination:=wsDst.Rows(dstRow)
dstRow = dstRow + 1
End If
Next i
End Sub
このように、具体的な条件・対象・範囲を追記して再質問すれば、ChatGPTは意図通りに修正してくれます。
コメント